buried alive (生き埋め日記)

日々の生き延び・魂の暴れを内省的にメモる。twitter→@khufuou2

ウイルス感染症拡大の狂騒からデビルマンを想起した話

 新型コロナウイルス、以下略称COVID-19の感染症が猛威を振るい目下のところ世界中が恐慌状態に陥っている。不安に駆られた健常者たちがマスク買いだめに走り衛生マスクがどこもかしこも品薄状態で、本当に必要とする人や現場(喘息などの疾患を持つ人、有毒ガスにさらされる作業に従事している人、医療関係等)に届いていないことには内心イラついていたのだが、

「外出たらマスクしてない人いっぱいいてちょっとエーッて思っちゃった」みたいなコメントを連続して見かけて本格的にイラッとした。WHOやあちこちの医療機関が、マスクは予防効果はほぼ見込めないけど感染者が飛沫をまき散らすのをガードする効果はありますよって言うてたやんけ。健常者がマスク買い漁ってつけまくっても意味ないんだよ。少なくともあなたがた素人よりは専門的な知識と経験をもつ機関がそうアナウンスしているのだから、聞き入れたらいいじゃないか。と思うが、「だって不安だし、その辺を歩いてる他人が感染者でない保証がない」ということらしい。そんなこと言ってたらきりがないしいつ迄経っても必要度が高い人にマスクが行き渡らない。不安だったら何をしても良いわけじゃないだろう。健康でぴんぴんしている人たちは、不安をぐっと堪えて理性的な判断をし、マスク買いだめを控えるべきだった。

 

 正直、マスクしてない人を反射的に不謹慎だ!と叩いて正義感に酔いたいだけっぽい人もいると思う。外出する人を無条件で非難して得意顔してる人も、犯人探しをしてつるし上げをしたくてウズウズしている人もアレだし、とにかくこの感染症騒ぎで人間の愚昧さ・醜悪さ・根深い差別意識同調圧力・責任の擦り付け合いとか負の部分が一気に表面化していて、あまりの無様さに高笑いがこみあげてくる。私個人はもともと人類なんて重要な存在じゃないから滅ぶときには滅べばいいというスタンスなのだが、マジで滅亡したほうが地球が洗練されていい感じになるかと思う。で、昔読んだ『デビルマン』という漫画をふと思い出したのだ。漫画版『デビルマン』のネタバレを読みたくない人はここで読むのを止めてほしい。

 

 

 

デビルマン』のことを書くにあたり、今けっこう疲れてて面倒くさいのであらすじの詳細をチェックしたりはせず私の朧気な記憶だけに頼ることにする。元人間だけどひょんなことから半人半デビルの魔人となってしまった主人公(通称デビルマン)は、人類を駆逐し地球の支配権をゲットしようとするデーモン達から人間を護るために闘うことになる。その過程で、デマに踊らされて疑心暗鬼になったり、恐慌状態に陥って排他的な行動に走ったり、魔女狩りならぬデーモン狩りみたいなことが頻発して潔白で弱い立場の人間たちがデーモンの一味という濡れ衣を着せられリンチされたりと人間の負の側面をたっぷり目の当たりにしたデビルマンは疑問を持つ。人類なんて本当に護る価値あるのか?と。それでもまぁ、デビルマンが信頼し好意を寄せているヒロインの少女およびその家族の存在を使命感の支えとし奮闘するのだが、不幸なことにヒロイン一家がデーモン狩りの標的となってしまい、暴徒化した人たちにリンチされて惨たらしく殺害され、全身バラバラにされてしまう。デビルマンは悲しむと同時に激昂し「もう俺は人類を見棄てる!!」と宣言して人類が自滅するのを冷たく黙殺し、神対悪魔の最終戦争へと突入していくのであった。<完>

 みたいなストーリーだったと思う。多少間違っているところはご海容願いたい。

デビルマン』の、恐慌状態に陥った人間の愚かさ醜悪さとか、人類って滅びてもいいんじゃね?みたいな問題提起が今回のワールドワイドな感染症騒動と重なってしまったのだ。

 この2、3か月で人間がますます厭になったし、自分が人間であることも厭になった。

この話は以上です。特にオチはありません。