buried alive (生き埋め日記)

日々の生き延び・魂の暴れを内省的にメモる。twitter→@khufuou2

2014-01-01から1年間の記事一覧

ファン・エイクの画集

聖書関係の祭壇画や礼拝画、 肖像画などで知られるヤン・ファン・エイク(兄弟)の画集を手に入れました。 15世紀ごろに活動していた画家だとされます。 冷徹で荘厳な感じの画風だなと私は感じます。とても好きな画家です。 ・一番好きな「アルノルフィーニ夫…

『椰子通信』を読んだ感想

少し前に、自費出版の小さな本を買った。不治さんの『椰子通信』だ。 不治さんのことはTwitterで偶然知った。 すでに椰子通信を買っていた或る人の「5歳ぐらいの頃、仲良くしていたけどいつの間にか引っ越してしまい、今では名前すら覚えていない友達を思い…

雪が積もると何となく静かですよね。

雪に関する日記。私の住む土地で雪が積もるのは珍しい。きのう、雪が積もった。朝起きてカーテンをあけると真っ白で、まず「うわぁ。外出るのめんどい」と思った。そんなことを思う自分の感性が悲しい。そこいらを走り回って大はしゃぎすればいいのに。早起…

すべて、誰かさんの命令

生きて行く上での痛みも、死への恐怖も、 喜びや快楽でさえもヒトを操作する何者かの意思を感じる。 その何者かは、「勝手に死なせねぇよ」とヒトを嘲笑・愚弄しているような気がする。何者かに行動をコントロールされているから、私は自由に死ぬことができ…

梶井基次郎ごっこをして遊んでゐる

ものぐさなので、本物の檸檬を買い求めたり、丸善のような大きな書店までわざわざ出向く事はしていない。 場所は自宅の本棚前。檸檬はこないだ林檎狩りで採ってきた林檎で代用した。一番上に重ねた本を梶井基次郎の『檸檬』としたのが、自分なりの図らいであ…

ぼくの世界は キュービズム

楽しさと虚しさ、慈悲と無情、繁栄と衰退、熱狂と沈鬱、動と静、等々。 互いに対立する感情や物事の状態は、別個の世界に存在するわけでも経時的に入れ替わっているわけでもなく、そこに同時に存在しているのだと肝に銘じたい。 一見単色ベタ塗りに見える風…

木曜日という名の喫茶店

むかし通いつめていた「木曜日」という名の喫茶店のことを思い出していた。木曜日という名だけれども、定休日は水曜日だった。店名の由来をマスターにいつか聞いてみようと思いながらも果たせないまま、「木曜日」は何年か前に店じまいしてしまった。一週間…

名もなき神話

古来、神は球体であった。神は自分の姿に似せて数多の球体を創り出した。その数多の球体のうちの幾つかを、我らは太陽と呼び、月と呼び、地球と呼ぶ。神は踊る。神は嘲る。囀る。笛を吹きならし、旋律を奏でる。韜晦に終始する神は、何の伝承も遺さずに未来…

雲が迎えに来るけれど

雲が迎えに来るけれど 君の背中には乗れないもんな。 窓ごしの景色に慣れ親しんだ窓際族は、窓枠で切り取られた景色の中をゆっくり流れる雲をじっと見つめる。 今日の雲は、脱脂綿を細かくちぎって、表面を毛羽立たせたようなあんばいだ。 雲は、見る人がい…

宗教と哲学について考えた

今回主に参考にさせてもらったブログ: 『哲学』と『宗教』の違いとは何か?:マルクス主義の挫折と『近代』という思想哲学の到達点 カウンセリングルーム:Es Discovery/ウェブリブログ 宗教と哲学の共通点は、いずれも「真理を追い求め、人が生き、考え、…

なんだか敬虔な気持ちだわ。

私はキリスト教徒ではないが、キリスト教には興味がある。 なぜならば自分が面白いと思う小説、絵画、音楽、ゲーム等のなかに聖書・キリスト教関係の題材が取り入れられている事が多いからである。 いま思いつくままに並べると、書籍(小説家)なら太宰治、…

旧約聖書の『ヨブ記』を読んで・・・応報思想の超克

信心深く、道徳的にも非の打ち所のない義人・ヨブに、神が与える災難の数々。 なぜ罪の無い人が災いを受けねばならぬのか という、古今東西問わず多くの人々が抱いてきたであろう疑問に対するひとつの答えが、本書には秘められている。 我々はラッキーな事が…

見えてるものを見ようとして~藤子・F・不二雄の容赦なき人間性探究 (其の二)

http://osenpe.hatenablog.com/entry/2014/06/22/223053 からの続き。 3. 『ミノタウロスの皿』 宇宙船の事故により、ひとり異星に漂着した地球人の青年たる主人公。 彼が漂着した惑星はイノックス星と呼ばれ、偶然にも地球と環境がよく似ており、地球人に良…

見えてるものを見ようとして~藤子・F・不二雄の容赦なき人間性探究 (其の一)

◎藤子・F・不二雄短編集① 『ミノタウロスの皿』 藤子・A・不二雄が大人向けのダークな作風の漫画家で、藤子・F・不二雄が子供向けの健全で明朗な作風の漫画家だ、という浅薄な認識を一変させられた作品集。 人間性に付随する深淵・闇・邪悪性・愚かしさ・…

大正義、町田康

「大正義」というのは、2014年6月現在、インターネット掲示板でよく使われるスラングである。元々、読売ジャイアンツの日本野球界における俺様主義を揶揄する呼称として使われていたのだが、転じて「野球に限らずあるジャンルにおいて、他の追随を許さぬほど…

誕生日プレゼントにリクエストする本じゃないだろう

と、今になって思うのが 『悪徳の栄え』(著:マルキ・ド・サド 翻訳:澁澤 龍彦) である。 17歳だった私は、友人から誕生日に何の本が欲しいかと訊かれて 何を思ったのか、この本をリクエストしたのである。 現在の私がもしその場に居合わせたら、ヘッドバ…