buried alive (生き埋め日記)

日々の生き延び・魂の暴れを内省的にメモる。

特集 ともだちがいない!を読んだ

露骨に性的な描写を含むので、潔癖な方は読まないことをオススメ。

 

きょう1日の休みのためだけに右手の爪を血豆色に塗った。派手な色なので、あした仕事へ行く前に落とさなければならない。いつもはベージュ色のマニキュアを塗って1週間もたせたりするので、これは極めて珍しいことと言える。

この三連休で英文翻訳の通信講座課題をやっつけて、答案をポストに投函することができた。

 

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ブコウスキーの文章目当てに、柴田元幸編集の文芸誌『MONKEY』を買った。ともだちがいない、という特集なのも興味をそそる。

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他にも色んな人の文章が読めるぞ

 

 

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『アダルト・ブックストア店員の一日』というブコウスキーの短編。

ブコウスキーの作品は案外スラングが少ない。なぜか。スラングは仲間内の通り言葉である。ブコウスキーには仲間、友だちがいない。ゆえに彼の(自伝的)作品にはスラングが少ないーこの思考の連鎖から特集「ともだちがいない!」が生まれました。

と説明書きにはあった。本当にブコウスキーに友達や仲間がいなかったのかどうか事実は知らないが、この考察は面白く感じた。

タイトルの通り、アダルト・ブックストアに勤めるマーティの1日の仕事の様子が淡々と描かれている。

あらゆる性的嗜好の客が入れ替わり立ち替わりやってきたり、騒動が起きたりする。

あそこに毛のない女のポルノビデオを所望する若者、剃刀で雑誌から写真を切り取る男、店中のディルドを物色して「黒いのを置いとかなきゃダメよ」と説教する女の子、ダッチワイフにはかせる黒いパンツを買う男、手の形をしたオナホールを20ばかしも購入する男。映像機械の前ではマスをかく男の姿が丸見え、アーケードルーム(25セントで短篇エロ映画が見られる小部屋のこと)ではコインの投入口が誰かがぶっかけた精液でベトベトだの、アーケードルームには怪しげなカップルが棲みついてフェラし合ってると苦情が入るだの、クソマニアが大量のクソを残して行っただの、ハプニングに事欠かない。

マーティは動じることなく、客の応対をしてあれこれ人形や下着やカツラを客に勧めたり、コインの投入口を雑巾で拭いたり、クソを新聞紙で包んでトイレに捨てたりする。とんでもない内容に違いないが、淡々とした冷静な筆致で、過度に扇情的になることもなく文章を組み立てる様は舌を巻くほかはない。

こんなに放埓で性的なことをあけっぴろげに描いてなお「ふん、こいつ突っ張ってやがる」的な鼻持ちのならない印象を与えず、スッと読ませる作家はほかにあまり知らない。こんな変なやつらがいてさぁ、びっくりするだろー?ゲーッて感じだろー?俺なんかはそんなことしないけどね、勘弁してよー。みたいな気取りや突き放しが一切無いからだと思う。ブコウスキーは高邁ぶった態度や虚飾的な態度はひどく嫌うが、メインストリームから外れた社会的立場で素直かつ誠実に生きている人たちに向ける眼差しは、非常に優しい。

 

話の終わりの方で夜番のハリーと勤務交代するときに、仕事は気に入ったかという話になり「悪くないよ」「まずいとこもあるけどさ、全体としてはいいよな」と言葉を交わすところが良い。勤務を終えたマーティは夕食にステーキを食べるべく街へ繰り出すところで話は終わる。