2014-10-17 名もなき神話 <無題> 古来、神は球体であった。神は自分の姿に似せて数多の球体を創り出した。その数多の球体のうちの幾つかを、我らは太陽と呼び、月と呼び、地球と呼ぶ。神は踊る。神は嘲る。囀る。笛を吹きならし、旋律を奏でる。韜晦に終始する神は、何の伝承も遺さずに未来永劫にわたって宇宙を彷徨い続ける。そんな神が、近所の道端に漂着しているのをわたくしは昨夜ジムの帰りに偶然みかけたのだ。