buried alive (生き埋め日記)

日々の生き延び・魂の暴れを内省的にメモる。twitter→@khufuou2

精神疾患(鬱優位の双極性障害Ⅱ型)が良くなった経緯 2/2 2020.02時点

 

osenpe.hatenablog.com

 上記の続き。

 

【再就職】

前職を辞める時、取引先の公的研究機関の人に「暫くは家でぶらぶら過ごすんですけど、知り合いの研究者とかで実験補助員を探している方がいたら私を紹介してくれませんか?パートタイムの緩めの仕事だとありがたいです」と伝えて自身の経歴や実験スキルをまとめた資料を渡した。この行動が吉と出て、2019年夏に今の職場にたどり着くことが出来た。給料がめちゃくちゃ安い以外は申し分のない職場で、上司や同僚は「きついときは遠慮せず休みなさい」と言ってくれたので調子が悪いときは休んで寝ていた。なんとか出勤できるときはゆるーく仕事をしていた。職場の人たちは私の個性を面白がって私の経歴や仕事ぶりや人当りとかもほめてくれたし、書物や科学など共有できる話題も多かったので、新しい職場でだいぶ自己肯定感や社交意欲が育まれた感じはある。感謝。

 

 

どん底

 どん底はどの時点だったかというと、2019年秋から初冬にかけて「前から計画していた町田康のイベントに参加すべく頑張って高速バスで出かけたら、宿泊先の都内ホテルで眩暈に襲われ現地の脳神経外科に飛び込んだのちイベントを諦めて高速バスでとんぼ返り」の憂き目に遭ったあと「あんなに大好きだったTwitterを見るのも投稿するのもしんどくなって、元々スマホ依存気味だったのにスマホを弄る気力さえ無くしてしまった」時期がどん底だったのではないかと思う。過眠・過食・寝逃げのサイクルにはまり込んでしまい、どうしても寝つけない時は布団にくるまってぼんやりしていた。

 

 

どん底での癒し】

 眠れずにぼんやりしている時間は苦痛なので、気を紛らわせる何かが必要だった。でも、ネット記事を眺めるのもtwitter2chもしんどい。ニコニコ動画のホラーゲーム実況をスマホで垂れ流すぐらいなら出来るかもしれない。そう思いついた。ニコニコ動画には色んなジャンルの投稿があるが、私が好きなジャンルのひとつに『ホラーゲーム実況』がある。超怖がりのくせに怖いもの見たさ精神も旺盛な私は、怖いゲームに興味があるけれど自分でプレイするのはこわいな~って時によく視聴していた。バイオハザードとか。ご存じの方もいるだろうが、ニコニコ動画は投稿動画の画面上に視聴者が任意のタイミングで打ち込んだコメントがテロップのように流れていく仕様になっていて、怖い動画を興味本位で見たい時などは恐怖感がほどよくマイルドになり何人かでワイワイ言いながら楽しむ感覚を味わえるのだ。コメントするしないは自由だし、投稿者や他の視聴者との間に人間関係が発生することも無いので気楽に視聴していられる。

クロックタワーという割と昔のホラーゲーム(ハサミ男が女の子を追いかけまわす内容)の実況をいくつかチェックして、「まお」と「トモすけ」という実況者のシリーズが気に入ったのでそれをひたすら見ていた。体調や精神状態は悪かったけれども、実況者がゲームの世界に没頭して怖がったり歓声を上げたり攻略に知恵を絞っている様子を視聴していると何故か気持ちがやわらいだ。

 

【浮上】

そんな風に過ごしていたある日、「私もクロックタワーやってみようかな」という考えが突如として頭に浮かんだ。PS2の機体が家のどこかにあるから、プレステ版ソフトを中古で入手すれば出来そうである。何日かかけてメルカリでクロックタワーのソフトを買い、何年も使っていなかったPS2を引っ張り出してコントローラーを握った。睡眠、摂食、排泄以外で能動的に何かをやるのはかなり久しぶりだな~、と感じたことを覚えている。健常者から見たらなんてことのない僅かな一歩かもしれないが、とにかく自分の意志で睡眠飲食排泄以外の行動をしようとしたことはかなり重要な出来事だった。それに加え、ゲームをやっている時はストーリーとか演出とか攻略に気を取られているので、心身の辛さからうまい具合に意識がそれて結果的に心が休まったのが良かったのかもしれないと今振り返ると思う。

 

【スライドに次ぐスライド】

 クロックタワーをやっているうちに、「ゲームといえば、大学生の時はペルソナっていうRPGにハマってたな。あのゲームソフトまだ売ってるかな」と思いついて、初代ペルソナ、ペルソナ2罪罰の中古PSP版ソフトを例によってメルカリで購入し、長年放置し過ぎて電池パックがパンパンに膨張したPSPの修復をした。携帯できるPSPだったのも良かったのかもしれない。職場にも持って行って、始業前や昼休みにはひたすらレベル上げをしていた。期せずして、今まで寝逃げに充てていた時間がゲームのレベル上げにスライドすることになり、起きていられる時間が長くなっていった。

年末、「なんかこの感じ…掃除できるかもしれない」と思い立って、ひとりで数日かけて自宅の大掃除を始めた。トイレ、風呂場、台所、廊下。夫は無論吃驚していたし、普段寝室にこもってばかりの私が家じゅうウロウロしていたので飼い犬は不思議そうに私を目で追っていた。

一番デカかったのが、車の運転が急に平気になったこと。指定の精神疾患に罹っていて、1週間あたりの労働時間が20時間に満たない私は失業給付を数か月受ける要件を満たしていたので職場に通うかたわら職安にも月一で通っていた。私は車の運転が怖すぎて職場と精神科への決まった道しか運転できず、したがって職安へは電車とバスを乗り継いで行くのが常であったのだがある日

「きょう職安に行くとき車で行ってみようかな?」と急に思ったのだ。

で、経路設定を念入りにして画用紙に大きくメモしたものを助手席に置き、それをチラ見しつつ車で職安へ向かった。あっけなく行って帰ってこれた。

「あれ…普通にできたなあ…別にしんどくなかったし…あんなに怖かった大駐車場も平気だった…」と思って、帰宅後自宅の駐車場にとめた車のなかでひとり戸惑いと嬉しさを感じたことを覚えている。

これが大きな自信と達成感になり、ここから元気になるのはあっという間だった。職場の混んでいる駐車場が怖くて始業2時間前に出勤していたのが始業30分前で平気になり、色んな場所に車ででかけてお茶したり買い物したりできるようになり、夫の運転じゃないと怖くて行けなかったスポーツジムにもひとりで運転して行けるようになった。

今まで私は体を動かすのなんて大嫌いだと思っていたのだが、ずっと幽霊会員をやっていたジムに「きょうは行けるかも~」と数か月ぶりに行って筋トレマシンを使ってるうちに、あれ…なんか楽しいし気分がいい…?と自然に思えたのだ。ここから2週間ほど続けてジムで運動していると、めちゃくちゃ体が楽なことに気が付いた。腰痛もあまり気にならなくなっている。見た目とか痩せばっかり気にしている時は全く続かなかったジム通いが、運動してると生活していて体がめっちゃ楽だから!という理由で出来るようになった。体の調子が良くなると食べ物の質も気になりだして自分で調理するようになり、自信がついてほかの活動にも意欲的になり…といった感じでこれ以降はいい具合に出来ること・やりたいことが連鎖的にスライドしていって、通信教育の勉強を再開したりとか町田康以外の本も読めるようになったりとか貯金を始めたりとか色んなことに取り組めるようになり、気が付くとクロックタワーの実況動画やペルソナのゲームからは遠ざかっていた次第です。

いまクロックタワーペルソナ2の途中までのセーブデータとゲームソフトが引き出しの中でひっそりと眠っていますが、今後これらをプレイするにせよしないにせよ、私の大事な宝物です。実況動画をあげていた人たちも職場の人たちもネット世界現実世界問わず私と関わってくれた人たちも全員私の恩人です。

 

【まとめ】

ハードルめちゃくちゃ低めな活動から少しずつ、おのれの気持ちと体調に忠実にこなしていったら、徐々に体力と自信がついて出来ることが連鎖的に増えていった

 

です!

 

以上のことを数年来の友達に話したら「情報量多すぎます…」と言われました。

この記事で語り切れなかったことが、なんとまだ沢山あるので(汗)

おいおい小出しにしていきます。

読んでくださってありがとうございました。