buried alive (生き埋め日記)

日々の生き延び・魂の暴れを内省的にメモる。twitter→@khufuou2

日々是冒険だぜ。

テレビ番組の懸賞に応募することなんてほぼ無いのだが、「陸海空 こんな時間に地球征服するなんて」という番組の企画の懸賞には衝動的に応募した。

くだんの企画は、ナスDという愛称のTVディレクターが未開地の部族との接触を求めて体当たりで異国を旅するという趣向のもので、大変人気が高かった。

このナスDという人物が非常に特異なキャラクターとモチベーションの持ち主で、とにかく未開の地の文化や人のなかに躊躇せずガンガン飛び込んでいく。得体の知れない食べ物、虫もガンガン食べる。入れ墨に使われる染料のもとである実の汁を全身に塗りたくり紫色の皮膚になる。現地人に交じって不眠不休で働いた末に疲労で転倒昏睡するなどのムチャクチャなアクティブさは異彩を放っており、完全にほかの芸能人たちの旅企画をくってしまっていた。懸賞品というのは、このディレクターがボラ族というこすっからい商業部族にたかられて大量に購入させられた民芸品。この購入量が尋常じゃなくて、アクセサリーとかお守りとかの細々した小物類を数百〜数千個単位、日本円にして10万円はゆうに超えるぐらい買わされていた。懸賞に応募した人全員当選するんじゃないか?と言われていたほどの量である。

私は当選した。嬉しい。

f:id:osenpe:20180729222124j:image

f:id:osenpe:20180729222147j:image

これが私が貰った民芸品。ブレスレットである。

この冒険企画のいいところは、「言葉が通じなくたって人は分かり合える!みんな仲間!ラブアンドピース」みたいな表層的な綺麗事に終始するのではなく、異国の人々との友情交流のみならず土着の部族の排他性、よそ者への敵意、金儲けのためにムリに物を売りつけてやろうみたいなこすっからさも包み隠さず映して伝えているところである。

そんなディレクターの心意気に感じ入って、私は今回の懸賞に応募したわけなのである。

あの冒険番組の企画を通じて、「とにかく行動を尽くして考えろ、上っ面を撫ぜて満足するな、気になるところはとことん調べてありのままを見届けろ」というアツいメッセージがぎゅんぎゅんに心に突き刺さったので、この懸賞品はかの類稀なるディレクターの活躍と心意気を想起するよすがとして、宝物にするつもりなのである。