buried alive (生き埋め日記)

日々の生き延び・魂の暴れを内省的にメモる。twitter→@khufuou2

サリンジャーの本を持ってキャンプへ

早くも梅雨が明けてしまったらしい。

サリンジャーの新訳の本が届いたのでキャンプに持ってきた。

f:id:osenpe:20180630182314j:image

f:id:osenpe:20180630182631j:image

有名な『ライ麦畑でつかまえて』に登場するホールデン・コールフィールドにまつわる短編、サリンジャーの作品ではお馴染みのグラース一家の兄弟姉妹や、『バナナフィッシュにうってつけの日』で自殺してしまうシーモア・グラースの幼い頃の思い出にまつわる話などが収められている。

若者たちの繊細な心の機微や会話の軽妙さを味わうことができるが、私個人としては野崎孝の翻訳がよりいっそう好きである。ちょっと癖があって、時代がかった文体が病みつきになるのである。これに慣れてしまうと、他の訳者による現代的でアクのない翻訳が物足りなく感じてしまう。

 

そんなわけでテントで寝転びつつ本を流し読みしていたが、外では料理中の夫が犬のいたずらを叱りつける声がのべつ幕なしに聞こえており私は読書を諦めて外に出た。

鮭の切り身が奇妙なオレンジ色の物体に感じられて、じっと見つめているのにもお構いなく夫は手際よく調理を進める。

f:id:osenpe:20180630210342j:image

f:id:osenpe:20180630210358j:image

f:id:osenpe:20180630210408j:image

あっという間に鮭とアサリのアクアパッツァができた。美味。

 

湖畔で焚き火を見ながら酒を飲んでいると、小雨が降ったり稲光が走ったり蛍が飛んだりと盛りだくさんであった。

夫とはとりとめもない話をした。生きている人間のうちどれほどの人が適材適所にハマって生きていけるのかという疑問や、キャンプグッズや、ボートを漕ぐ話などについて。

 

2018年6月30日、木崎湖の湖畔にあるキャンプ場にてしるす。