buried alive (生き埋め日記)

日々の生き延び・魂の暴れを内省的にメモる。twitter→@khufuou2

初夏の匂い

いつもこの季節が来ると、どこからともなく東洋的な花の匂いが漂ってくる。

夏の到来を感じる。

 

今までのぼくなら「ああいい匂いだ」で終わらせるところだが、今年の儂はひと味違う。ちゃんと花の名前を調べますよ。

って、一人称が滅茶苦茶や。

 

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ニセアカシア

ずいぶんな名前だと思う。本アカシアと偽アカシアのどちらが本家かなんて、

人間の都合じゃないか。

と思ってニセアカシアの本来?の名前を調べると、ハリエンジュ(針槐)という名前がちゃんとあるらしい。

でも、残念ながらニセアカシアという名前に親しみすぎているので、

私はこれからも針槐のことをニセアカシアと呼ぶのだろうなあ。

 

冬の間散歩するときは、ニセアカシアの刺々した枝が通路に伸びていて

ずいぶん危ない植物だなぁと気を悪くしていたのだが、こんなにいい匂いのする花がつくのだからいいや。刺々してても。

という風に宗旨替えをした今日この頃。

 

ニセアカシアの花をとってきてカメにあげたら、ムシャムシャ食べていた。

(葉っぱとかには毒があるが、花は食用にしてもよいらしい。)

蜜が入っていて旨いのかもしれない。

冷たい血のなかで

週末はリフレッシュできたはずだ。

多肉植物に水をやったし、カメには日向ぼっこさせたし、髪を茶色に染めもした。

 

職場に向かうべく車に乗り込むと、オーディオの出力スイッチを切り替えてiPodをつないだ。

さいきん車のなかではラジオなんか聞かない。「冷たい血のなかで」という曲がたいへん気に入っていて、行きも帰りもそのひとつの曲だけを繰り返し繰り返し聴いている。

どことなくひんやりした感じの曲で、スピーカーから流れ出す音も冷気を含んでいるような気がする。

アイラービューソー、プリーズドンゴー。

アイラビュソーアイラビュソー、プリーズドンゴー。

あなたを愛している、どうか行かないで。

別れの歌だろうか。

でも感情を込めて歌っているのではなく、

音としてきれいだしシックリくるからこの歌詞にしました、みたいな流麗な歌い方だ。

なるべく人を轢かないように運転したが、結局その日轢いたのは老人2、若者1、幼児3、そして猿が1匹。これでもましな方だと思わなければならない。

 

「おはようございます。」

ボスは毎日、髪を複雑な形に結い上げている。わたしはここに勤めて半年になるが、知る限り一度たりとも同じ結い方をしているのを見たことがない。

ほどくとどれくらいの長さなんですか、とか

それなんて言う結い方なんですか、とか

訊いてみたくないでもないが、ボスの前に行くと無駄口をきこうという気持ちが萎んでしまうのだ、不思議と。

「おはようございます。あなたの今日の予定は、そう、DNAの増幅、電気泳動、赤い培地100まいつくること。金曜に話した通りで宜しく。悪いけど、火曜以降の予定はまだ決めてないんだよね。それは、まあ追い追い話すということで。」

 

ボスに挨拶したあと、管理係のところに行った。先週出庫したサンプルをまだ報告していない。

管理係の男性は、先週までは金色の縮れ毛を肩まで垂らしていたが今日は黒くてまっすぐにのばした髪をしており、頭の左半分をきれいに刈り込んでいた。

もちろん、その事についてなにかコメントすることはない。

「14本凍結サンプルを使ったんですね。社内システムのリストに出庫記録つけて更新しましたよね?じゃあ、それでいいってことで」

パソコンに向かう横顔は、太いべっこうぶちの眼鏡に隠れているせいで表情が読めない。

あれで、ちいさい息子がふたりいて結構な子煩悩らしい。

午前中けんめいに働いたら、5分で弁当を食べて(わたしはほんとうに食べるのが早いのだ)あとは自分の車のなかで寝ている。

今の時期、暑くもなく寒くもなくてほんとうにちょうどいい。昼休みを切り上げるのが惜しいくらいだ。

っていうか、この時間だけが心の支えで仕事に通ってる。季節が進んでもっと蒸し暑くなったらわたしはどうやって正気を保てばいい?

ああ、死ぬまで午睡の心地よさが続けばよい。ルララ。

アイラビュソーアイラビュソープリーズドンゴー。

 

 

往来

道を歩いている人たちを眺めていると、何となく気持ちが救われる。

朝の時間帯なので、通勤中とおぼしき壮年の男性や通学中の小中学生が多い。

皆思い思いの服を着て、荷物を持っている。

その日身に付けるものを吟味して選んだ人もいるだろうし、無造作に箪笥をあけて手近にあった服をテキトーに着た人もいるだろう。

さらに辿ると

その服は、各々が「お。これいけてるやん」

と思って買ったものだったり、とりあえず無難な服ならなんでも良いや、と手に取ったりしたものであるはずだ。

 

その経過をぼんやり空想すると

ああ、みんなそれぞれの好みを持っていて

自分なりに考えて生活を組み立てて過ごしているんだよな。

と思ってなんか安心するのだ。

 

あと、小学生低学年ぐらいの子達は見ていて面白い。

いきなり立ち止まったり、被っている帽子を突然脱いだと思ったら草むらに放り出したり、電柱に抱きついたり、行動に脈絡がない。

ああ気ままに振る舞っていたら楽しいだろうな。

私も道を歩きながら奇声を発したり、餅を撒いたり、電柱に抱きついたりしてやろうかしらん。とも思うが、大人である私がそれをやったら少々頭がござっていると思われてしょっぴかれる可能性が高い。残念だ。

 

あとは、そうだな。

だいぶ車の運転になれてきた。

対向車の運転手の顔がわりと目にはいるのだが、しかめっ面をしていたりヘラヘラしていたりと色々で、はは。おもしろい。

車を運転していて信号待ち中に、前の車に仲良さそうなカップルが乗っていると座席の辺りをガン見してこいつらチューするかな。あ、した。

等とひとりで喜んでいる。

たまにカーステレオで音楽でも聴いているのか、ノリノリで頭を振っている運転手の後頭部を眺めていることもある。ああいうゴキゲンな人を見ると自分も頑張ろうと思える。

 

たまに散歩をするときはサークルKで焼き芋を買って、歩き食いしながら家に帰る。

私は転勤者なので、いつこの町並みとおさらばするかわからない。

そういう時はちょっと心細い。

住宅街を通るときは、庭付き一戸建てをチラチラ見ながら、この辺に家を買って死ぬまで永住するのってどんな感じなんだろう?と空想する。

どこの町に行ってもそうだ。

で、どこの町にいても、「永住」ということがぴんとこない。

 

そんなことをダラダラ書いてて思ったのだが

私はたいへんしあわせものなのかもしれない。

そんな気がしてきた。

 

最近ウケた事。
断食明けのお坊さんがインタビューを受けていて、今いちばん口にしたいものは?と訊かれて「スムージー」とこたえていたこと。

以上

 

 

雨の日のキャンプ

雨だけどキャンプをして、テントで寝ている。夫と犬は寝静まったようだ。

私は冷えきった固い寝床が落ち着かなくて、テントに当たる雨音を聞きながらブログを書いている。

自分のペラペラの寝袋と夫の比較的厚い寝袋を取り替えてもらったのだが、それでもやはり寒い。

テントって薄いのに、土砂降りでも雨一滴中に染み込んでこないのは凄いなーと思う。

 

春に桜の木を見ると思い出すこと。

大学生の時に教養科目で落語の講義をとったが、毎回宿題で自作の落語を提出しなければならないのがキツくてすぐに脱落したこと。

1回目はなんとか苦し紛れに、桜の木の下に死体がめっちゃ埋まっている話を捻り出して提出したのだが

それ以降ぜんぜん落語のアイデアが思い付かなくて宿題を出せなくなり、その講義の単位をとるのを諦めたのだ。

 

好きな野草

ヒメオドリコソウ
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オオイヌノフグリ
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どっちも名前からして趣がある

ホコリをかぶった文集のような

高校の頃は文芸部にいた。

何回か文集が発行され、それに短文を書いたりした。

文集はたいてい教室のロッカーの上にポツンと置かれていて、誰からも忘れられたような風情を漂わせていた。

どれぐらいの人が読んでくれていたのかすらわからない。

でも、読み手がいようといまいとあまり気にしていなかった。文を書くことや、それが印刷されて冊子になること自体が面白かったので。

私がどんな文を書いていたかというと、香水を飲んで生きる人造人間の小話とか、嘔吐恐怖症の事とか、映画のタイトルについてとか書いていた。

他の人はとても短い詩を書いたり、長野まゆみっぽいラブストーリーを書いたり、

色々だった。

誰も手に取ることなく忘れられた文集、ペラくて青い表紙の。

情景としてはなかなか悪くない。

毎日だるい。

好きな事もどうでもよくなってくる。

この間は久しぶりに犬の河原遊びに同行した。

大きな石がゴツゴツしていて歩きにくかった。

細かい産毛がはえた木の芽をさわった。名前は知らないが、細かい粒が密集したきもい植物の穂を見たりした。

 

好きだったことがどうでもよくなってきてるのが一番つらい。

このままの気分で残りの人生生きるのはしんどい。

 

あとは、写真を見るのがだるくなってきた。かわいい動物の写真とか洒落たカフェの写真を見てもうるせー。バーカ

という気持ちになる。

 

だるいので入浴とか着替えとか歯磨きとかもサボりまくってる。

仕事も勿論だるい。

 

暖かくなったら花桃を見に行きたい。

雑感

うんとつらいことも無くなったかわりに、とても楽しいと感じることも無くなってきた。

こんな風に老いて死んでいくのかも。

 

人の機嫌を損ねまいとしてギリギリまで自分の意志を表明せずに、かえって人の機嫌を大きく損ねることがあって

反省している。

人の機嫌をうかがってもどうせ最終的には怒らせてしまうのだから、自分の考えはさっさと明らかにしようと思う。

女性機能が弱りまくっているとのこと

もともと生理不順、多嚢胞卵巣などの不具合があって婦人科に通っているのですが、

ピルを飲んでいても生理がこなくなってしまいました

医師曰く、そうとう女性としての自律機能が弱っているのではないか…とのこと。

自律機能ってのは、バランスよくホルモンを分泌したりとか、そういうことです。

原因はストレスとか不規則な生活とか言われてますが、そういう不具合が一番対処に困りますね〜

自覚している限り、ストレス無いしわりと規則的に生活してると思うんだけど。

生理が来るまでピルを休薬して、様子を見ることになりました。

あとは子宮の超音波検査を受けました。

次回の診察は1ヶ月後です。

人各種

朝、コーヒーチェーン店で休んでいると

たまに見かける人がいる。

その人は40、50代とおぼしき男性で、

入ってくるとハキハキした声で

「精神科のリスパダールの薬を飲むもんで、ぬるま湯ください」

と店員に話しかける。

そして、テーブルでビニール袋をがさがささして薬を飲む。

たいてい、

「精神科のリスパダールの薬を飲むもんで、ぬるま湯もう一杯ください」

とおかわりを頼む。

で、荷物をまとめるとまたハキハキした声で

「ありがとうございました」と2回ほど言って去っていく。

 

それだけのことで、とくになにか感想がある訳では無いのだが私はなんとなくその人のことを覚えてしまった。